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本格麻婆豆腐専門店「辣(らー)」
- 取材日:2005年8月23日 -
 
「ヨコハマ・スタイル」のシンボルとして横浜の中華料理に新風を巻き起こす店。辣(らー)
辣 外観
!DATA
住所 〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町217
電話 045-663-9163
FAX 045-663-9163
営業時間 ランチ・タイム AM 11:00〜PM 3:00
ディナー・タイム PM 5:00〜9:00
※ラスト・オーダーは PM 8:00
定休日 毎週木曜日
交通案内 JR根岸線、石川町駅北口(中華街口)より徒歩5分
みなとみらい線、元町・中華街駅より徒歩10分
※駐車場はございませんので、お車でお越しの場合は中華街周辺の
 駐車場をご利用ください。
地図
辣 外観
 横浜の中でも最も華やかで、日本ばかりか海外にもその名を知られた「横浜中華街」。風水思想に基づく10基の門が守護神として街を守り、その中央には簿記を発明したという三国志の英雄・関羽雲長が祭られる「横浜関帝廟」があります。この関帝廟は、商売の神様として広く信仰を集めています。

 そんな中華街の起源は、横浜港の開港にまで遡ります。当時、西洋商館で働いていた中国人たちが集まり、同郷の人びとを呼び込み、彼らの子孫が何代もかけて築き上げてきました。実に150年近い歴史を誇り、日本に居ながらにして中国の歴史や文化を肌で感じられる、不思議で楽しい街です。

 また、横浜中華街の特徴は、何といっても「中国料理店」の数の多さ。200を優に超える店舗がひしめきあっており、これだけ多くの中国料理店が一箇所に集まった街は世界でも類を見ないといわれています。
 この中華街を東西に貫くメイン・ストリートが「中華大通り」。その西端にある善鄰門から「西門通り」を石川町駅に向かって歩いていくと、中華街の雰囲気とは少し異なる、シックでモダンなガラス張りの店が左手に見えてきます。それが、今回ご紹介する本格麻婆豆腐専門店「辣(らー)」です。
お店のポイント
 「辣」は、中華街に立ち並んでいる「中華街らしい」中国料理店とは異なったデザイン・コンセプトを前面に出しており、現代的で、おしゃれなイメージです。
 1階は、思わず目を奪われるガラス張りの壁と大きな青い引戸。2階は、スタイリッシュなカフェを思わせる外観。しかし店内はカジュアルな雰囲気で、男女を問わず1人でも気軽に入れるお店となっています。
 実は、この「辣」はオーナーの近澤弘明さん(近沢レース店社長)をはじめとする横濱まちづくり倶楽部のメンバーの英知を集めてつくられました。そして、横濱まちづくり倶楽部が提唱している「ヨコハマ・スタイル」の具現化を試みた、非常にコンセプチュアルなお店なのです。


ロゴマーク

中川さんのデザインによるロゴ・マーク
 1階の大きなガラスに描かれた「辣」のロゴ・マークはとても印象的ですが、これは横濱まちづくり倶楽部の会員で、著名なグラフィック・デザイナーである中川憲造さんの作品。そのガラス越しには、中国の一流シェフである張鳴華さんの華麗な手さばきが店の外からでも伺えます。
 1階はすべてカウンター席ですが、2階に上がると雰囲気は一転。デザインにこだわり抜いたスタイリッシュな空間が広がっています。なお、2階にはテーブル席とカウンター席の両方が用意されており、そのときどきのシチュエーションにあわせて使い分けられます。
 コンクリートの打ち放しの壁。おしゃれなカウンター。「中国料理店」ではなく「中国料理を楽しめるカフェ・バー」といった感じですが、これらの内装のデザインを手掛けたのは、やはり横濱まちづくり倶楽部の会員で、空間デザイナーとして活躍する建築家の佐々木龍郎さん。
 天井や壁から床材、さらにはテーブルや椅子に至るまで、そして、それら1つ1つの素材選びからデザインまで、佐々木さんの徹底したこだわりが貫かれています。そのため、1つ1つのもののすべてが個性的ですが、空間全体の一体感は損なわれていません。
 また、食器や箸などは、近澤さんや近澤さんの奥様が様々な所へ足を運び、選び抜いたものです。
 近澤さん、中川さん、佐々木さん。それぞれの強い個性と一流の感性が時にはぶつかりあいながらも次第に素晴らしい調和へと昇華していった、その先にたどり着いたのが「辣」なのです。そして、その「辣」こそは「ヨコハマ・スタイル」に対する、横濱まちづくり倶楽部の1つの解答です。ぜひ皆さまも「辣」へ来て、「ヨコハマ・スタイル」を体験してみてください。
辣 店内  辣 店内  辣 店内


 しかし、「辣」は店の雰囲気づくりやデザインだけにこだわっているわけではありません。もちろん、それに負けないくらい料理にもこだわりを持っています。
 「辣」のオーナーである近澤さんはかなりの食通ですが、彼が仕事で中国を飛び回る中で出会い、その魅力にとりつかれたのが上海で食べた四川・湖南料理。それは上海料理を基本としながらも、四川・湖南料理のエッセンスを巧みに取り入れた、進化した中国料理でした。そこで、この素晴らしい料理の魅力を最大限に伝えられる店を開きたいと思い立ったそうです。
 それにはまず、そうしたことができるだけの技量を持った料理人を探さなければなりませんでした。そして、探し回った末に見つけたのが張鳴華さん。彼は、四ツ星にランクされた上海の有名な迎賓館「西郊賓館」の高級調理師として活躍していました。
 そんな彼が作り出す料理の数々は、これまで日本の店で出されていた中国料理とは趣きを異にする「現代の本場の味」を、私たちに教えてくれます。
ポスター
テイク・アウトの麻婆豆腐セット

テイク・アウトの麻婆豆腐セットは、中川さんのデザインによる素敵なカップに入っています。
 「麻婆豆腐専門店」という看板を掲げる「辣」のスペシャリティは、当然のことながら四川・湖南地方の代表料理である麻婆豆腐。ですから、麻婆豆腐には特別なこだわりを持っています。
 特に、麻婆豆腐の味を決める山椒と唐辛子については、四川省特産の山椒である「花山椒」を産地から直接取り寄せ、それと厳選した2種類の唐辛子をあわせて使っています。かくして、食欲をそそる芳しい香りと深い味わいを醸し出しています。
 ランチ・タイムでは、この麻婆豆腐と、長粒米を蒸しあげた独特の食感のライスとのセットを850円(税込み)で気軽に楽しめます。なお、このセットはテイク・アウトもできます(ラージ・サイズで750円)。ランチ・タイムには、あんかけ焼きそば等、ほかのメニューも数品用意されています。いずれもリーズナブルな価格ですので、気楽にお立ち寄りください。


 一方、ディナー・タイムは基本的には予約制で、高級調理師・張さんが作り出す現代の中国(上海)料理の数々をゆっくりと堪能できるコースが用意されています。
 コース・メニューは特に決まっておらず、予約時に予算や食べたい料理、もしくは好みの食材を伝えれば、それにあわせて張さんがコーディネートしてくれます。毎回、自分だけのために作られたオリジナルのコースを楽しむことができ、「辣」の大きな魅力の1つです。
 また、このほかに、「辣」でしか飲めないオリジナルのビールもあります。3種類の唐辛子が使われており、独特の香りと爽快な喉ごしが印象的です。これは、関内でビールを醸造している「横浜ビール」の醸造長・榊弘太さんが、「辣」の麻婆豆腐をイメージして開発しました。
「辣」のオリジナル・ビール

「辣」のオリジナル・ビール


 「辣」のオーナーである近澤さんは元町・近沢レース店の社長でもあり、同時に横浜の中心市街地のまちづくりにも大きく貢献している人です。そして、彼は横浜の中心市街地を活性化するために横濱まちづくり倶楽部を立ち上げ、積極的に活動を展開しています。
 今回、「辣」の立ち上げに関わった多くの人びともこの倶楽部に所属しており、近澤さんと同様に、横浜を愛し、横浜という街の将来に向けた魅力づくりのために心血を注いでいる人びとです。
 彼らが提唱する「ヨコハマ・スタイル」は、横浜に新しい風を巻き起こし始めています。「辣」は単なる中国料理店ではありません。そうした新しい風の発信拠点でもあるのです。
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