- 取材日:2004年6月25日 -
今回は、横濱まちづくり倶楽部の会員12名で隣花苑にお邪魔し、一人8,000円(料理のみ)のコースをいただきました。なお、コース料理の内容は月ごとに変わります。
ここで皆さまにご紹介するのは、6月のお料理です。
見るからに涼しげな一品。口に入れるととろけていく煮こごりの中から、瑞々しいじゅん菜と胡瓜がそっと顔を出す瞬間がたまりません。
黒ごまの香ばしさと、いんげんのシャキッとした食感が印象的です。
ほどよく酸味のきいた南蛮漬けで、初夏にとてもあう一品です。
何といっても、ごぼうと根三つ葉のシャキシャキとした歯ごたえがたまりません。控えめな味付けで、素材の旨さが前面に出ています。
焼き茄子の味わいと、梅肉のさわやかな酸味との相性が抜群です。香り高い大葉などの薬味が、さらに美味しさを引き立てます。
わかめと糸瓜の個性が酢味噌でうまくまとめられています。酢味噌のほんのりとした甘味と酸味が食欲をそそります。
女将さんが庭で作ったというもぎたての胡瓜に、隣花苑の自家製味噌を添えていただきます。素朴ですが、なぜか心あたたまる一品です。
鯵は“づけ”にしてあるため、旨みが凝縮しています。また、ほどよく脂がのっており濃厚な味わいですが、生姜とあさつきの薬味によってさっぱりといただけます。
ほどよく炙られ、厚めに切られた鰹は味も食感も抜群! 大根おろしなどの薬味も、名脇役ぶりを発揮しています。
上品な味付けで、優しく炊かれた湯葉と高野豆腐です。柚子の香りが素晴らしいアクセントとなっており、シンプルながら印象に残る一品です。
見た目は普通の冷奴のようですが、実は豆腐がところてんのように細長く切られています。それを、薬味を添えて蕎麦つゆでいただきます。さっぱりしていて喉ごしもよく、季節にぴったりあった逸品です。細長く切られた豆腐の食感は独特ですので、皆さまにもぜひ一度お試しいただきたいと思います。
海老のしんじょ、冬瓜、椎茸の入ったお吸物です。そっと浮かんでいる柚子の皮からほのかに広がる香りが、上品な出汁の香りとみごとなハーモニーを奏でています。
三渓翁は食通としても知られ、日本料理、西洋料理、中華料理とあらゆる国のおいしい料理を食べ歩いたそうです。そして、彼はその体験をふまえて、自らいろいろな料理を考え出しています。そうした創作料理の中でも三渓翁が最も自信をもっており、訪れる客人には必ず振舞っていたといわれるのが三渓そばで、今では隣花苑の名物としてすっかり有名になりました。
三渓そばは日本古来の食材である蕎麦に(ただし、実際には細いうどんで、蕎麦粉は入っていないそうです)、中華料理のエッセンスの入ったあんかけがかかっているという面白い料理です。実際にいただいてみると、中華風のあんかけは蕎麦との相性が素晴らしく、意外な発見に思わず感動します。三渓翁の遊び心から生まれた逸品を、皆さまもぜひ一度ご賞味ください。
八丁味噌と木の芽が添えられた加茂茄子、たっぷりと旨みを含んだ穴子、ふっくらと炊かれたオクラの3品が、色あいよく盛り付けられています。素材の個性を邪魔しない優しい味付けがされており、素材を思いやる女将さんの心が伝わる一品です。
この時期が最も美味しいといわれる鱧を、天ぷらでいただきました。サクサクとした食感と、鱧の柔らかな身から溢れ出てくる旨みは、まさに至福の味! もちろん、香りと辛みがさわやかな谷中生姜の天ぷら、ホクホクしたさつまいもの天ぷらも美味しくいただきました。
細く切られた人参と生姜が散らされた酢飯の上に、一つまみの白ごまが振りかけられています。酢飯のほどよい酸味と人参の甘味、さわやかな生姜の風味、そして白ごまの香ばしさが絶妙のバランスで一つにまとまっています。
食後には、京都から取り寄せたという「したたり」(黒蜜の寒天)と一杯の抹茶をいただきました。したたりは黒蜜の甘い香りがさりげなく広がる和菓子で、喉ごしもさわやか。暑い季節にぴったりです。季節感あふれるご馳走を次々にいただいた後を締めくくるにふさわしいデザートでした。