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第5回
馬車道と事始め

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□ 新たな挑戦と馬車道のガス灯

PHTO(今年度実施されたライブタウン整備事業について)今回の整備のテーマですけれども「オールドタウン馬車道、ガーデンストリート馬車道」となりました。ちょっと読んでみますと「オールドタウンとは、古くから地域の中心として発展、古い時代のよいところを現代まで継承しながら、新しい時代の良さを取り入れて、独特の地域文化を創造している街。」「今後進む高齢化社会を考慮して、今よりさらにゆとりのある歩行者空間とするために車道幅員を縮め歩道幅員を広げ、低木、地被類、カラーリーフ、花を植え誰もがゆっくりと歩くことが楽しくなる『ガーデンストリート馬車道』を整備する。それは現状の一方通行にふさわしい車道幅員となることで、両側駐車や二重駐車の防止につながる。」ということで実施しました。
歩道を4.5メーターを5.25メーター。一番最初、51年に取り組んだ時は歩道は3.5メーターでした。その分、車道が当時9メーターだったものが、51年に7メーターになって、今回5.5メーターという形になりました。

それからレンガタイル舗装をやめてレンガにしました。きょう持ってくればよかったんですけれども、本当にいいレンガなんですよ。これ、英国製のレンガでして、英国から輸入しました。実は当時はまだ高秀市長だったと思うんですが、横浜市さんから「なんでハマレンガを使わないんだ」って話があったんです。ハマレンガってご存じですか、再生レンガなんですけれども、やはり本物を使いたいということで、英国からイブストック社製のレンガを輸入しました。

何でレンガにしたかというと、この辺、非常に地盤沈下が激しいんです。で、ベースにコンクリ張ってその上にレンガタイル置きますと、どうしても地盤沈下をするんですけれども、今回のやり方はベースが砂なんです。砂の上にレンガ置いただけなんですね。ですから地盤沈下にある程度対応できるというようなことも考えております。

それからガス灯も80年ぶりに復元をいたしました。現在馬車道にはイギリスからやってきたガス灯たちが設置されています。ビクトリアタワーのガス灯、シェフィールドパークのガス灯、英国国会議事堂前のガス灯、トラファルガー広場のガス灯。で
関内ホールの前、それから旧丸井、今マンションになりましたけれど、マンションの前。それから県立博物館の前、それぞれ設置されておりますので、ぜひご覧ください。

このガス灯なんですが、ちょっと低いんですね。だいたい英国行きますと、ガス灯の高さというのはだいたい3メーターから3.5メーターくらいなんです。馬車道は旧来は、ガス灯スタイルをした水銀灯が点いています。それは6.5メーターありました。今回の街づくりの中で、本物のガス灯を付けるということで少し低くしようということで、5メーターにしてあるんですね。実際は3.5メーターから3メーターくらい、というのが通常のガス灯の、いわゆる火のある高さということになっております。
それからアーチの再整備ということで、ガス灯を付けたアーチというのは3基あるんですけれども。世界にはあまり例がないそうなんですよ。これも実は横浜市と協議をするのは本当のところ大変だな、と思ってたんです。道路をガス管がまたぐんですね、しかも地上で。いろいろ管理上の問題とか含めていろいろクレームがあるんじゃないかと思ったんですけれども、その辺は非常にスムーズにいきまして。

それでずっと来まして一番最後のところに「馬の水飲み場」って出てるんですけれども。これはこの前の11月2日の日にも馬車が走りましたけれども、その時にも活用させていただいて、馬がそこで水を飲んでいます。これはちょうど県博の前にございますので、後でご覧になっていただきたいと思うんですが、当時のものを復元したものです。

□ 馬車道の近代建築とまちの活性化

昭和60年当時、馬車道商店街の方に日本火災の方から、この建物は関東大震災前からのもので、建物の老朽化が進んでいると。損保の会社としては性格上、万が一のことがあると困るので、ぜひ取り壊して建て替えをしたい、という申し入れがあったんです。馬車道としてはそんな震災前の数少ない近代建築で、貴重な建物で、横浜の財産だと言うこと、横浜出身の建築家の作品であるということ。これは裏の、これも外壁構造にしていますけれども、旧の三菱銀行の、矢部又吉さん、そのプロフィールが確か配られてるんですね、後でご覧いただきたいと思いますけれども。それから県博の並びにあって馬車道の景観上も重要だと。こういったような理由で何とか保存できないかというお願いをしたわけですけれども、なかなか結論に至りませんでした。

それでもちろん、馬車道・関内を愛する会、日本建築学会、横浜市民、横浜市を巻き込んだ、ちょっとした市民運動になったんですよ。この銀行は旧川崎銀行横浜支店のビルということで、最終的には川崎財閥、川崎家の人々の判断もあって、一部外壁の保存をするように決断していただきました。当時ですから、あまり金融機関、損保の会社もそうですけれども、積極的な宣伝活動はできないんですけれども、必ずこれは宣伝効果があります、という話をずっとしておりまして、多分それはずいぶん貢献したのではないかというふうに思っています。

これは大変なことをやったわけですけれども。まず費用は3億ぐらいかかっています、そのために。外壁を一部復元活用するに当たって、外壁の石材を全部、部分的に外したんですね。その中には震災をもちろん経験してるんで、老朽化した部分もあるわけで、それは全部カットです。それでもって、要はプラモデルを、一回作ったプラモデルを全部壊すんです、また。でプラモデルの部品部品に分けて、使えるものだけ集めてきて、それをベースにして復元したんです。だから本当にこれは気が遠くなるような作業でして、石材を並べている写真がまだ現像が残ってますけれども。そういうことがありまして。これはもう取り壊される運命にあってから3年間かかったわけですけれども、皆さんの努力によって、とりわけ施主の方の判断によって、残すことができました。

通りに面した馬車道サイドについてはほとんど復元できてます、当時のまま。それでもちろん、ダメな石材は外してますから、部品が足りないわけですよね。サイドの方の県博側については、一部下の部分が石造りになってますけれども、上は全部ガラス張りにしたんですね。何でガラス張りか分かります?県博が映るようにしたんですよ。ですから何となく、もう建物はないんだけれども、そういう形でもって再生ができたわけです。

この建物は歴史的な建造物の保存とか再生の手法を提示した、ある意味では先駆的な建物だと思いますし、日本建築学会の大賞も取ってます。横浜市の方でも歴史的建造物の保存をやってるわけですけれども、その認定の第1号になってまして、これを契機に横浜市の方でも歴史的建物保存委員会というのができたんですね。今異常に貢献していて、例えば三菱のドックヤードとか、いろんな部分について横浜市の方も指導して、そういう形のものを残すようにしてきています。

最後に、この中の資料に富士銀行のことがあるようですけれども、きょうの会場の旧富士銀行横浜支店。年齢で言うと74歳です。やはりこれは外観が最大の特徴になってますし、中のこういうレリーフなんかもすばらしい形で残ってまして、後ほどその大金庫なんかもぜひご覧いただきたいと思いますけれども。ここについても、馬車道はずっとお願いをしてまいりました。それで、先ほど話したように部分保存とか復元保存とかという形は、すごくこのエリア多いものですから、富士銀行についてはぜひ全面保存してもらいたい、というお願いをずっとしてまいりまして、一応形の中では要望書を聞いていただいた形で、残していただきました。

この銀行は19年度から本格的な活用をしようということで、現在暫定期間の利用をしているところで、文化芸術にかかわる実験がいろいろ行われてきています。馬車道も昨年の12月にはここで、イヤー・エンド・コンサートを、毎週金曜日かな、4回ほどやりまして、だんだんだんだん賑わって、最後は入れないくらいで。ベリーダンスもここでやってしまったんですね。文化芸術ですから、すばらしかったですよ。

我々もこの旧富士銀行、それから旧第一銀行、それから県博、県立博物館、この三つは三位一体になった展開が必要だというふうに思っているんです。県博も実はなかなか利用者が少なくて、年間数万人、正確に言うと5〜6万人、ゼロが1個足りないんじゃないかと館長に言ってるんだけれども、くらいの利用なんです。ですから何とか県博もこの富士銀行、第一銀行が活性化することによって、活性化してもらいたい。

でも印象的に残っているのが、確かニューヨークだったと思うんですが、やはり博物館がなかなかお金がかかるものですから、チャリティー・クリスマス・フォーマル・パーティーをやったんですね。すごくその絵が印象に残ってるんです。だから真似しいではないんだけども、例えば県立博物館の中でそういうフォーマルのパーティーをやりましたと。ここではクラシックのコンサートをやってます。旧第一銀行では若者向きのディスコやりました、と。そんなような連係プレーができると素晴らしいんではないのかなあと思ってます。いずれにしても、戦術はいろいろあると思うんですけれども、その戦略についてはしっかりしたものが必要だというように思います。皆様方も多分いろんなアイデアがあると思うんで、どしどし出していただけたらな、と思います。

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