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◆今回の取材では、「変えない」ということが「変える」ことよりも難しいという事実を学びました。イザベラは開店して40年近くになりますが、ずっと同じ場所で、味やメニューも大切に守り続けています。変化や革新がことさらに求められ、皆が次々に新しいものに飛びついてはすぐに飽きていく時代。そうした中で、一つのものをしっかりと守ってきたオーナーやスタッフの方々の努力には、あらためて頭が下がります。
もっとも、「変えない」ということは「工夫をしない」ということではありません。受け継がれてきた味を守りつつ、しかし「料理を飽きさせないように味付けを工夫してきた」と、料理長の小澤さんから伺いました。実は、「変えたように感じさせない」ということに、スタッフの方々が一丸となって取り組んできたのです。
また、小澤料理長はインタビューの中で、「心がこもった料理」にこだわっているとお答えになりました。イザベラの店内はスペインに由来する調度品や装飾品が置かれ、異国情緒に満ちており、私たちにとっては非日常的な空間です。しかし、そこには家庭的なあたたかさが満ち溢れています。それはきっと、「心」という極上のスパイスが入った料理と、須永さんたちによる普通でさりげない「心遣い」によって醸し出されているのではないかと思います。
太陽の国といわれるスペイン。その国の料理を40年近くにわたって提供し続けているイザベラ。それは、スタッフの方々の「心」という太陽で、訪れた私たちをあたたかく包んでくれるお店です。
(横濱まちづくり倶楽部会員・田代 瞬)
◆シックだけれどもあたたかい雰囲気に包まれた店内で、ひときわやさしい笑顔で私たちを迎えてくださる須永さん。その須永さんは、昼間はアットホーム社で不動産広告の仕事、夜はイザベラのマネージャーという二足のわらじを履いて頑張られています。昼と夜、異なる仕事をこなしているので、さぞかし大変なのではないかと思いましたが、夜の仕事(イザベラでの接客)で学んだことを昼の仕事(不動産広告の営業)に活かせるのでよいとのお答え。その前向きな姿勢は、率直に「カッコイイ!」と思います。
インタビューの中で、須永さんは「お客様に対して過剰なパフォーマンスをしない」ということを強調しておられました。「お客様が普通にいらして、普通に帰ってくださる。そして、そのうちに自然と何年も通っている、というかたちになることが理想」とのこと。一見、消極的なイメージですが、実はこれこそが日本的なさりげない心遣いの極みであり、最も高度なサービスなのではないでしょうか。
須永さんは、非常に控えめな方でした。しかし、仕事に対する内に秘めた情熱とエネルギーはすごい方です。今回お会いして、どんな仕事でもチャンスと考え、積極的に楽しむという姿勢を学びました。私はまだ大学生ですが、やがて社会に出たときに、それを手本にさせていただきます。
(同・山田雅浩)
◆大通りに面したオープンカフェスタイルのバーの脇を入り、少し奥まったところにひっそりとあるイザベラ。日常の喧騒から解放されて、ゆったりとした時間を過ごしたい大人のための隠れ家です。その店内はやさしい照明に包まれており、地中海がイメージされた内装が広がっています。また、さりげなく飾られた古めかしいポスターやオブジェなどが重厚な雰囲気を作り上げていますが、高級レストランのようなよそよそしさはなく、スペインのまちなかにある地元の人たちが集う店のような素朴さがあります。
マネージャーである須永さんのお話を伺って、イザベラのもつ柔らかで素朴な雰囲気の理由がわかったような気がします。インタビューの中で須永さんは、「飽きられないように、主張し過ぎないように」と繰り返し言っておられました。また、最先端を走るような店ではなく、普通に来店し帰ってもらえる、流行り廃りのない店にしていくことが大切とも話してくださいました。そんな気負いのないさりげなさが、イザベラのソフトなムードを醸成しているのでしょう。
もうすぐ開店して40年。この老舗を支えているのは、訪れた人びとへのお仕着せのない愛情と謙虚さを忘れないスタッフの方々の精神であるということを学びました。
(横浜商科大学学生・渡邊理沙) |