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横浜・食の極人 vol.01 横浜の味を創る究極の達人たち
元町梅林
これまで「食案内」のページでは、横浜の食文化を代表する“お店の紹介”をしてきました。
しかし、それぞれのお店には、そのお店の味を生み出す究極の達人がいます。このコーナーでは、そうした人びとに直撃インタビューをして、その素顔に迫っていきたいと思います。ぜひ、ご期待ください!
さて、記念すべき第1回は元町梅林の女将、平尾禮子さんです。
食の極人・プロファイル1 元町梅林女将 平尾禮子さん
平尾さんは静岡県藤枝市の生まれですが、7歳の時に横浜に移られました。
そして、横浜共立学園をご卒業後、実家である「吉田町梅林」を手伝いながら、料理研究家の田村魚菜氏に師事して料理の腕を磨かれたということです。
1972年、お母様に勧められて「元町梅林」をオープン。以来、30年以上にわたり、「真心と遊び心」をモットーにした素敵な料理を次々に創り出し、横浜の人びと以外にも広く愛されてきました。映画監督の故・黒澤明氏をはじめ、各界の著名人の方々も元町梅林の“常連さん”となっています。

元町梅林女将 平尾禮子さん
「少女時代はのんきに遊んでばかりいたんですよ。」
少女時代は親泣かせで、学校では勉強もせず、のんきに遊んでばかり。先生にお説教されても、当時は素直に聞き入れることができなかったという女将さん。しかし、今になって先生の心を悟り、とても感謝していると話してくれました。
その先生とは今でもお付き合いがあり、正月や、美味しい料理が出来上がったときにはお届けするそうです。
元町梅林女将 平尾禮子さん 「自分の足で探して、納得するまで食べて、自分の舌で覚えて、うちらしい料理を追及するんです。」
美味しい食材の情報や料理の情報を得ると、全国各地を廻ってしまうというほど研究熱心な女将さん。お客さんに喜んでもらうため、就寝前に必ず接客の反省、新しいメニューの考案をします。その時ひらめいたものは、すぐに試作に取りかかり、女将さんの優れた感性によって梅林の味として命を得ます。

全国各地を廻るのも、すべては「お客さんに満足してもらいたい」という、おもてなしの心から来ているのですね。
「人にご馳走したり、おせちを作って人に配ったり、商売ではなく料理が好きだったんです。」
欲得なく人に料理をご馳走するのが大好きで、そんな女将さんを見たお母様の「あなたみたいに料理が好きなら、それを商売にしたら?」という一言で元町梅林が誕生しました。
当時の元町には、食べ物屋さんがあまりなかったそうです。そんな中、女将さんの作る料理はさぞ愛されたことでしょう。
「私が食いしん坊なので、料理が少ないのは嫌なんです。」
女将さんのこだわりは素材重視で、よい素材があればどこにでも足を運んで美味しいものを探し歩いているそうです。お刺身には特にこだわっているということで、質のよいものを選び、毎日とれたての本物だけを出すよう心がけています。そして、外食しに行くという贅沢を満喫するには美味しいものだけをいっぱい食べてもらいたいと考え、小さな小鉢をたくさん出すようにしたそうです。
これからも元町梅林でしか食べられないものを作り続けていきたいと、女将さんは話してくれました。
「来てよかったお店だなぁ。また来たいなぁと思って、お帰りいただくことが一番。それには、小さなお店でなくちゃダメなんです。」
お店の皆が誠心誠意お客さまに接し、働き者であることを感じていただくには、「大きいお店にしたら絶対にダメ」と、女将さんは言っていました。
元町梅林女将 平尾禮子さん
「皆で、家族のような気持ちでおもてなしをするので、是非お出でください!」
外食が好きでなかった黒澤明監督や、俳優の仲代達也さんも「実家にいるような気分になれる。なんかホッとすると言ってくれました」と語る女将さん。
常連さんたちからは、「今の梅林が好きだから、この雰囲気を壊さないようにしたほうがいいよ」と言われているそうです。


横浜の食案内「元町梅林」はこちら

横浜の食案内 創作日本料理の老舗「元町梅林」

インタビューを終えて
■インタビューの当日に元町梅林へ伺ったところ、「食事をしていただければ、うちのお店のことがよくわかりますから」という女将さんのはからいで、お店の売り物であるコース料理を再びご馳走になりました。20品を超える料理の数と、素材のよさを引き出す確かな技術、女将さんの遊び心から生まれた創作料理の楽しさを今回も満喫し、思わずインタビューで来ていることを忘れてしまった私です。こんな大きな満足感は、元町梅林でないと味わえません。
(横濱まちづくり倶楽部会員・平野順弘)

■インタビューを終えて、料理の一つひとつに誕生のエピソードがあり、女将さんの苦労や経験、お店の歴史が詰まっていることが伝わってきました。元町梅林の料理は、単に品数が多いというだけではなく、一品一品にそうした重みがあるのです。
(同・山内康資)

■料理を心から愛する女将さん。その女将さんの手作り料理だからこそ、いつ行っても、誰が行っても楽しく食事ができるのだと思います。また、接客するスタッフの皆さんのさりげない心配りも食事の楽しさを盛り上げてくれます。そんな元町梅林の家族のようなもてなしこそ、この店が親しまれてきた最大の理由だと感じました。こうした暖かい家庭のもとへ、みんな帰りたいと思うのでしょう。
(同・坂本紘一)
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