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キタムラ訪問記
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* キタムラのオフィシャルページはこちら *

編集部からの前口上
横浜の魅力を掘り下げ、皆さまに紹介していく意図のこのホームページ、そしてこの企画「まちを歩けば…」(すみません、今回からタイトルを変更します。)ですが、ぜひここで紹介したいところがありました。それが今回お届けする服飾雑貨・バック専門店の「キタムラ」さんです。「えっ、キタムラさんは有名だし、知ってるよ」という声が、聞こえきそうですが、でも待ってください。今キタムラが熱いのです。いや今だけでなく、さらにこれからも俄然、面白くなりそうな気配あり!とにかく目が離せない注目度大、そんな勢いある風が吹いているのです。そんなキタムラさんの元気パワーの源は何かを探りに、北村社長と変革の前線にたつ藤巻営業本部長に話を聞きに行ってきました。以下はその時聞いたことの記憶をベースにしながらまとめた訪問記です。

(以下の表現では、北村社長は北村さん、藤巻本部長は藤巻さんとさせていただきます。※役職は03年2月当時のもの


◎ 2月4日(火) の10時30分に訪問
事前にアポイントメントを取ってはいたけれど、ドキドキの気持ちで、いざキタムラ元町本店を訪問。
まずは藤巻さんが登場。会って早々服をほめられる。「いいジャケットだねぇ、それどこで買ったの?」と聞かれ、それに答えると「へぇ〜、服好きなんだぁ。」「おっストライプのシャツと合っているねぇ。トラッド好きでしょ(笑)。」と続きました。このような会話から始まったことで、すごく緊張していたのに、一気にリラックスできた。間をおかず、北村さんも登場し、いよいよ対話が始まった。

◎ まちづくりについて -- 北村さん --
僕の好きな言葉は「パトロン」。そのためにはマネーメイキングが必要だし、お金を稼ぐのも、極端を言えば、そのためにやっているという意味もあるかもしれない。まちづくりへのパトロネージュとしては、伊勢の赤福のようなありかたが、いいと思う。官や政治に頼らず、自分のところの利益を地域へ再投資する感じ。

◎ 好きなことについて -- 北村さん --
何よりも大好きなのが、チャレンジ(挑戦)=狭い厳しい道を切り開いていくこと。それが楽しい。チャレンジングスピリットが大事。そして今の変化の時代もトライ&ゴールでやっていく。(若ければ、トライ&エラーでいいけれど、自分の残りの人生を考えるとエラーしている場合ではなくゴールを決めないといけない。)それから3Eも。エキサイト、エンジョイ、エンタテイメント。

◎ 商いについて -- 北村さん・藤巻さん --
キタムラの強みとはホスピタリティーと、なによりも(品質が)本物であること。
ホスピタリティーには、きちんと品質の説明をすることも含まれている。ただ買ってもらうのではなく、見せる(魅せる)ことが大切。ブームになった時には「なにも聞かないで買っていく」方が多くなってしまい、まずいと思った。だからしっかり見せる(魅せる)よう接客指導した。そうするとマジメだから今度は本当に見せる(魅せる)だけで、売らなかったこともあった。オイオイそれは違うだろう、最後は売らないと!と思ったね(笑)。商売のスタイルとしては、虎屋の羊羹のようになれば理想。これからも余計なことにはわき目もふらず「つくる」「売る」に専念していきたい。
嫌いなものは、安売りやアウトレットだ。また商売では、単にお客さまに迎合していてはダメ、シビアな勝負である。今会社としては、リセット・ブランディングの時期で、今まで行ってきたこと、成功したことを否定するのではなく、社会の変化に合わせ、キタムラ自身を変化に合うカタチに再構築している最中と思っていい。

◎ 元町について -- 北村さん --
元町には、文化・まちとしてのポテンシャルはある。わたしたちの時代に経験した異国情緒があり、文化の先端だった時代を経験し、知っている人間がまだいっぱいいることは、ものすごく大きなポテンシャルであると思う。
元町のブランドは健康つまり正直な商売をしている適性価格でやっている良さがある。
今、元町商店街としてのアイデンティティーを見直すCI的な取り組みをおこなっているが、若い人たちに任せている。これからの時代はこれからの人が担うわけだから。もちろん今までの経験から、踏み外しそうになったら、方向性を示すこととかの助けはしているが。基本は、個々のお店が一生懸命競い競争するなかで、商売を繁盛させてこその商店街ではあるが、商店街としておこなうイベントについては、「金儲けのこと」は一切後回しにして、まず「たのしいこと」をやれといっている。(ミッレミリアやハロウィンパーティーなど)遊び場をつくることが大切である。

◎ 横浜・元町、仕事について -- 藤巻さん --
人生の中で大きかったことは、「人とのめぐり合い」であり、「縁の大切さ」を感じる。北村社長の人脈ならぬ人軸力はすごい。コミュニケーションパワーはとても重要である。
今までにも生地に精通した達人との出会いがあって楽しい仕事ができたし、そして今はハンドバック界の北村さんとの出会いで、ここにいる。新らたに人生をかける仕事にめぐり合えたと思い、本当にハマっている。
また、横浜・元町も、本当にずっと好きな町だったから、たぐり寄せられたような運命を感じる。日常からほんのちょっと非日常につながっている世界で、また異国との窓口のような感じが好きだった。
キタムラでは、今までいろいろと経験してきたことで、今は「こうやればこうなって、次はこうなる」といったイメージ=先を読める力がついてきたが、まさにそれを思いっきり実践させてもらっている環境にあるので、今の仕事は大変だが面白い。(今までの経験から言うと)バイヤーとは旬を追っかけて紹介するのではなく、本当は一番好きなものをおっかけることこそが大事である。また、ものづくりの現場は、とにかく面白い。そんな気持ちをもちながら仕事をしている。

◎ 藤巻さん評 -- 北村さん --
とにかくスケールのでかい人間だ。日本一、いや世界一のマネージャーになりうる人物だと思っている。いまはまだまだキタムラのために動きまくってもらっているが、10年とかずっと先のことまで考えると、キタムラの中だけにとどまらず、もっと大きなフィールドに飛び立っていきそうなほどの人物、またそれにふさわしい人物だと思っている。
変革するためには、社長が辞めるのが一番いいとかKマークをやめようとかいろいろ言われると正直ムッとすることもある。そんな遠慮のないところや、でっかい夢を語るビックマウスでも、それを本当にやってしまう、そこがすごい。きちんと結果をだすというか、応えてくれる。
新宿伊勢丹や梅田阪急などに出店し大変期待されたアパレル進出も、1年でやめてしまったので、損も出したが、それでも藤巻との出会いはその損以上に得るところがあった。というのが総括になる。アパレルには我々キタムラは素人過ぎたと反省している。
出会った時期もちょうどよかったのかもしれない。たぶん10年前ならどちらもまだ若すぎて喧嘩・衝突するだけだったかもしれない。でも今だからこちらも任せるということもできるようになったし、藤巻もいろんな経験を積んできているから、阿吽の呼吸になれるのだと思う。

◎ 日本のハンドバックを取り巻く環境について -- 北村さん --
まだまだ西洋から導入して50年たらず(といっても西洋でもハンドバックの歴史はそんなに古いものではない)なので、日本の人々は本当のハンドバックのよさ、本質・本物を見抜く眼が養われていないことが多いのではないかというフラストレーションを感じることがある。だから欧州ブランドのマーケティングに高いお金を払っている現象がある部分ではあるといえる。日本にもいいバック屋はいっぱいあるのに…。ただそれをきちんと紹介できていない商売人の側にも反省は必要かもしれない。キタムラでも「つなぐ」ことが大事。藤巻は日本いや世界一のプレゼンターだと思う。

◎ キタムラのこれから -- 藤巻さん --
世界に打って出ていく。世界の主要都市に出店していく予定である。それはつまり、日本発のものが世界基準の製品力、競争力をもっていることをアッピールするため。それだけのものが当社のバックにはある=本物であると自信がある。「世界のキタムラになる。」(僕達にはものを見つづけてきた経験と知識があるからそんなことは無いが)ハンドバックやモノに関しての、日本人のもつ西洋コンプレックスのようなものを打ち崩していきたい。たとえばクロコなんか世界にどこにも負けない。また文化を味方につけること必要。ベースにはトラッドがあり、モダンクラッシックを体現させていく。

◎ 横浜というまちについて -- 北村さん --
横浜は東京ばっかり見ているところがダメ。東をみれば、箱根や小田原や文化や歴史あるものを大事にしていない、それをまちの魅力として繋げられていないところが、惜しいのではないか。


藤巻営業本部長

訪問の印象
今変革真っ最中でお忙しいことは容易にかわるお二人に、インタビューのお時間をいただくことで、恐縮しての訪問だったが、冒頭にあるように、すごく楽しい訪問ができた。
お二人の掛け合い漫才的ペースにはまり、事前想定問答は完全崩壊してしまったが(笑)。 お二人の印象としては、どちらも根の部分はシャイで奢らない性格というところは共通しているなと思った。そして男が男に惚れて(同性愛的な意味ではない)、任す・応えていくという緊張感ある関係は、正直かっこいいなと思いました。まちづくり倶楽部について北村さんからは、「何がしたいのはっきりしない、ダメ」なんて散々なことを言われましたが、それでもインタビューさせていただけたこと、ありがたいし器量がでかいなぁと思った。でも、倶楽部もこんな風に言われないよう、価値ある活動をしなければいけないと最後に思った。
(板野)

※本記事の中で、北村社長による発言をもとにした表現では、雰囲気を残すため、藤巻さんに敬称をつけていない箇所もありますが、ご了承ください。
こぼれ話
No.1 その時、都会文化の一端を垣間見た
インタビューもそろそろ終わりかけ昼の12時を過ぎた頃、突然北村さんが「おっ、あれは宝田(SS会)理事長違う?」と窓の外を指さした。窓の外には、自宅の屋上で、一人愛犬と遊んでいる宝田さんの姿が、顔まで判別できないほど遠い距離にかすかに見えました。北村さんが「そうだ電話してみよう」とケータイを取り出し、宝田さんに電話しました。それではじめて宝田さんもこちらの存在に気づき、こちらに手をふってくれました。単なるビジネスの場での出会いだけでない、職住の近接した元町。そして昼間からバルコニーに出て、手をふる北村さん、藤巻さん、そして宝田さんも、なんかお茶目(笑)。
こんなハプニングがおこることも、都会文化の一端だと思う。
No.2 またもや、都会文化の一端を垣間見た
キタムラさんの2003年springカタログの発行にあわせ、新商品お披露目とイラストレーターソリマチアキラさんのイラスト展のパーティーが、東京・外苑前の「サイン」という素敵なお店(カフェ?)で2/15(土)19時からおこなわれました。会として、大きな仕掛けがあるわけでなく、DJがBGMを担当し、そんな雰囲気の中いろいろな方が知り合いを見つけ、お互いに話し込む。そんなある種、会話だけで成立した大人の社交場状態で、とっても粋で、いい感じでした。(気おくれして写真を撮れなかったので、紹介できなくて残念)とはいえ、ドリンクの種類もシャンパンなどいっぱいで、かつおかわり自由、食べ物も会話を邪魔しない、1口サイズのフィンガーフードが数種類で、とても洒落ていました。
このようなパーティーが開かれていること、これもまた都会文化の一端だと思います。横浜でもこんな企画が自然にできる場所があり、人も沢山いればいいなぁ、と思った。

ソリマチアキラさんのイラストを使ったディスプレイ(元町本店)
No.3 メンズ専門店開店前夜にたまたま遭遇
2月20日の木曜日、まちづくり倶楽部の月1の会合を終え、いつものように大半が閉店した21時頃、元町商店街を歩いて家に帰っていると、まだ電気がついた店内で、大勢の人がいそがしく作業している風景があった。それが「キタムラのメンズ専門店開店前夜」であった。
以下その時もっていたデジカメで、撮ったものをいくつか紹介します。
ディスプレイの製作と商品陳列の作業中。
何かすごい緊張感が外にも伝わってくる。


開店準備の様子を見にこられた社長とデザイナー森健さんを、記念写真的にパチリ。


バックデザイナーのマイク・エーブルソンさんもあれこれ指示
(写真うまくとれず横を向いている方がそうです)


開店後のある日のメンズ専門店の様子
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