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まちをつくる人々
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チャーミングセール期間中 9月某日の
ポンパドウル元町本店前の様子
編集部からの前口上
「まちをつくる」というと大層な事に聞こえるかもしれませんが、これは建築や都市計画の範疇だけの話とは考えていません。新しく何かをつくることだけでなく、既にあるものを当たり前に支え、維持しつづけて、私たちの生活に潤いと喜びを与えつづけてくれている人々だって、立派に「まちをつくる」人々と言えるのではないでしょうか。
 というわけで、第1回の今回は、「おいしいパン屋さんが身近にある」ことを、「住みたいまち〈場所〉の条件」の上位にもってきたい編集人の勝手な思い入れから決めました。
元町を拠点に全国に拡がり、かつ横浜を代表するパン屋さんであるポンパドウルについて、いろいろと聞いてきましたので、ご紹介したいと思います。
知っていそうで以外と知らない・・・
(回答していただいた方:(株)ポンパドウル 販売促進課 吉田さん)
質問1【店名の由来】:
「ポンパドウル」とは、ポンパドウル婦人という人名からきているのは知っているですが、それでは、なぜ「ポンパドウル婦人」なのでしょうか。お店の名前の由来を教えてください。

ポンパドウル(以下P):
現在の「バゲット」を宮廷料理のパンとして最初に焼かせたのが、当時ロココ文化の実質的パトロンだったポンパドウル婦人だったといわれています。フランスパンが看板商品であるポンパドウルのシンボルとしてその名を拝借したのが由来です。

質問2【店の歴史】:
創業のきっかけや歴史と、今まででターニングポイントになる出来事があれば、それを教えてください。

P:1969年(昭和44年)11月に創業しました。創業者は、三藤喜一(現会長)で、当時川崎にある準大手のホールセールベーカリー「昭和堂」の経営者でしたが、大資本のベーカリーとの競合に将来的な不安を感じ、誰もやったことの無い高級ベーカリーの経営を決意しました。ターニングポイントは3、4店舗めの支店である横浜相鉄ジョイナス店、川崎さいか屋店への出店で、直営のチェーンベーカリーという構想がこの時生まれました。
(編集部注:三藤社長によれば、5店舗目、藤沢への出店ぐらいも、ターニングポイントの時期に含まれているとのことです。)

質問3【デザイン】:
現在の包装紙(マーク・サイン、色)のデザインは、いつから使われているものですか。またデザインを作ったのは誰でしょうか。赤色が、大胆に使われている理由も、教えてください。

P:ロゴ、パッケージとも、創業の1969年(昭和44年)から使用しています。デザインは中尾栄一氏に依頼し、女性モニターの意見を取り入れて決定しました。
赤は血の色を連想させるため、食品のカラーとしてはタブーとされてきましたが、ファッション性と斬新さを表現するため、あえて選んだものです。
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「ポンパドウルの真っ赤な包装紙たち」
質問4【元町本店の特徴】:
元町本店での売れ筋の傾向、特徴は何ですか。

P:元町本店は、高級住宅街である「山手地区」の顧客が3割、石川町や山下町の「近隣」の顧客が3割、「観光のお客さま」が4割といった顧客構成です。
それぞれ全く異なった嗜好性がありますが、全体の比率から言えば「フランスパン」や「高級デニッシュ」などの割合が高いのが特徴です。
三藤達男社長へのインタビュー
 
質問1【基本方針】:
ポンパドウルとして「これだけはゆずれない」という基本方針はありますか。

三藤社長(以下M):
あります。ベースになるものとしては、大きくは6つあります。
1:フレッシュ  
2:高品質
3:多品種
4:安全と衛生
5:生産性の向上
6:サービスの向上

もともとは2の高品質という中に4、6の意味も含んでいましたが、これらもそれぞれよりハッキリ意識して取り組んでもらいたいものであるから、あえて独立した括りとしました。やはり1の「フレッシュ」ということがポンパドウルの存在意義を考える上で、重要で、フレッシュであるためには、決して遠くの工場ではパンはできない、つくれないと考えます。その意味で粉からのプロセスからはじめる「一店舗一工房」という仕組みを徹底しています。

質問2【日本であること】:
西洋のパンを日本で展開する、そのジレンマのようなものはありますか。

M:どうかなぁ(笑)。欧風、フレンチには、こだわりたいとは思っています。しかしお客様の期待に応えることがなによりも大切であるし、実際それは大きいです。フランスのパリあたりにあるような構成のパン屋さんにすれば、それは見栄えではカッコいいかもしれないけれど、それで期待に答えられるかどうかは、疑問に思います。
例えば、あんパンやメロンパンは、日本のオリジナルだけれども、実際おいしいし、創意工夫の賜物であり、愛されていると思います。
ただ、短期的には売れるかもしれないが、長くつづかない。飽きられるかもしれないというパンも時にあるので、日々の目配り・調整も大切です。

質問3【パンづくりの技術】:
職人さんの技術向上、目標をめざした「ベッカマイスター」制度について教えてください。

M:言葉からわかるように、ドイツの制度を参考に、いくつかの同業他社と協力して作り上げた、製造職人の目標づくりを含めた制度です。
ベッカマイスターの資格としては、
初級:2年半〜5年:一通りはマスター。ただし応用はできない。
中級:5年〜7年:教えることができるレベル。応用もできる。
上級:〜10年〜:配合考えられる。新しいものの提案ができる。パンの骨子を理解している。工房の管理ができる。

となりますが、経験年は絶対ではなく大体の目安といったところです。

質問4【人について】:
さらに人材についてお聞きします。やはり職人になるには、昔みたいにもっと若い時から仕事をはじめるべきなのでしょうか。また求められる人間の条件はなんでしょうか。

M:昔のような人生の早い時期からの奉公スタイルがいいとは思いません(笑)。今の時代は、若者も勉強をよくしているので理解力もあるし、昔に比べて大きく違う点として、ノウハウなどにしてもキチンと記録して伝達できるシステムが格段に充実していると思うからです。
求めている人間の条件ですが、「広くみることのできる好奇心の持ち主」と言えるでしょうか。例えば料理人なら、フレンチ、和食に限らずメインの料理に限らず、デザートづくりの知識と技術まで持っている人が普通です。それにくらべるとパンの世界の人間は、関心の対象をパンの領域にだけ向けて、その周辺ある料理やワイン、酒などに関心をもたないでいる者が多いと思います。
そこら辺を打破して、いろんなこと(食べ物・料理に限らず)興味をもって、最終的にはそれを仕事=パンの世界にも結びつけて展開していけるような人物でしょうか。
人間様々なので手先の器用・不器用はあるので、上手・下手はある程度仕方がないと思うのですが、こういう好奇心をもっているかどうかで最終的には違ってくるのだと思います。
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三藤達男社長です。インタビューに快く答えていただき、ありがとうございました。
次回は
次回(予定)では、実際に元町本店にお邪魔して、普段見られない開店、閉店前の店の様子やパンづくりの工房の様子をレポートしたいと思います。
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