| 第22回 |
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会員 谷津倉智子さん
(NPO法人「さなぎ達」理事・Funnybee株式会社代表取締役) |
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寿(横浜市寿町)に初めて入ったのは、大学2年生のとき。その頃は、寿のような“ドヤ街”や“路上で生活する人たち”の街が日本にあることは全く知らず、「ここはほんとうに日本なのか」と愕然してしまいました。「豊かになったはずの日本でなぜこのような町が?」と。
その後、寿の人たちと接していくなかで徐々に生い立ちを聞く機会があり、実は“フツウの人”であることがわかってきました。「ホームレスの人たちは、友人や会社、一番身近であるはずの家族さえ関係が切れてしまっている。自分がありのままに受け入れられる居場所がないのでは」?そして、「ホーム」を「レス」している状態が、問題のすべてではないと感じるようになりました。家族や仕事がないという現実は、確かに根源的な問題。けれどももっと、社会的・全体的に見て行くことも必要と感じます。ホームレス状態になる人がなぜ社会に出現するのか。背景の異なる人たちといっしょに生きていくという状態を少しでも実現できたらと、個人的な限界を抱えながら「さなぎ達」(横浜の寿町でホームレスおよびそれに至る恐れのある人々が自立自援できるようにすることを目的として活動している特定非営利活動法人)で活動を続けてきました。
「さなぎ達」に関わる人は、学生や高校生など若い人はもちろん、作家、お坊さん、お医者さん、議員、会社経営者、主婦、神父さん、マスコミの人など、まさに多種多様。人財(人材)の宝庫です。その多様なネットワークをもっと本格的に活かせないかと考え、2004年12月「Funnybee」という会社を立ち上げました。寿町をフィールドとして、環境整備やまちづくり、ホームレスの人たちの雇用創出など、社会的な課題にとりくむことを事業の中心においていきます。
いまは、ノベルティとして使用できる「ワンタッチ栽培セット」(特殊な技術で土壌をキューブ状に固めたものと種と鉢をパッケージにしたもの。使用している土壌は砂漠緑化や三宅島の緑再生などでも使われている)の普及に努めています。この栽培セットが広まれば広まるほど、包装作業を担っているホームレスや知的障害の人たちの福祉就労の機会が増えるしくみです。今後は、寿町の簡易宿泊街としての特色を活かしながら、海外の観光客が気軽に寿町を宿泊拠点として往来するような、長期的なまちづくりにとりくんでいきたいと考えています。開国の地、Yokohamaが、寿町をターミナルに、世界中の、とりわけ東アジアの人々が頻繁に行き交い、新しい文化の発信地となることを願いながら。
NPO法人さなぎ達 http://www.sanagitachi.com/
Funnybee株式会社 http://www.funnybee.co.jp/
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谷津倉智子(やつくら・ともこ)
東京生まれ。東京女子大学大学院現代文化研究科修了。学部生の頃より、ホームレス支援にとりくむ、横浜市寿町で初めてのNPO法人「さなぎ達」のたちあげに従事。大学ボランティアセンターコーディネーターや大学講師、社会福祉協議会ボランティアセンター運営委員、日本ボランティア学習協会理事などに着任。
2003年よりNPO法人「さなぎ達」理事。2004年日本青年会議所「人間力大賞」厚生労働大臣奨励賞受賞。2005年より「横濱まちづくり倶楽部」「関内を愛する会」会員。
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