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第2回
タイトル
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添野 好一 横濱まちづくり倶楽部会員
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好きな都市はどこか?と聞かれると、様々な都市の姿が頭に浮かんできて一つを選ぶことは難しいが、強く印象に残っている都市はどこか?と聞かれれば、私は松本市(長野県)を挙げる。私が松本に惹かれる理由は、初めて親元を離れて暮らした街だということもあるし、そこでの生活がかなり風変わりなものだったという、極めて個人的な経験によるものだが、ここで私の思い出話を語ってもしようがないので少し視点を変えて話をしたい。

私にとっての松本の印象とは、初めて松本駅に降り立ったときに感じた強烈な「寒さ」である。当時、スパイクタイヤは規制されていなかったので粉塵による埃っぽさも印象に残っているのだが、それはこの際おいておくことにする。松本駅はとりたてて特徴のある駅舎を持っているわけではないし、駅前もロータリーの向こうに数階建てのビルが並んでいるだけで、これといった特徴があるわけではないのだが、駅舎から駅前広場に出たときに感じた、皮膚や鼻腔の奥に感じる痛さを伴うような「寒さ」の印象だけは未だにしっかり焼き付いている。その後、盆地特有の暑い夏も含めて春夏秋冬を一通り経験したし、だいぶ時が経ってしまって忘れてしまったことも多いのだが、第一印象以外にも、不思議と「寒さ」と結びついた思い出の数々だけは深く心の中に刻まれていてなかなか消えようとしない。あまり思い出したくないことも含めて…。
もちろん、松本が「寒さ」だけが特徴の土地だというわけではない。松本には、その地形的、歴史的な特徴を含めて魅力的な点が多々あるし、私自身、松本には個人的に気に入っていて他人に教えたくない場所もあった。(今でもあるのだろうか?)当然、そういう場所に限って他人から見るとつまらない所だったりするのだけれど。
まあ、ある都市を訪れて、あるいは暮らしてみて、何を魅力と感じるかは、その人が置かれている状況やそのときの感情など、個人的な条件と強く結びついているものであって、主観を排して語ることは難しいので、その楽しみ方はそれぞれにお任せするとして、ただ、都市の魅力を考える上で、第一印象で人にどれだけ強いインパクトを与えられるかということは重要だと思う。第一印象の強弱は、その都市に対する人の感情の振幅を規定すると私は思っている。その人にとってある都市の第一印象が強烈なほど、その都市に対する感情の振幅は大きくなり、それ以降の経験を通じて、第一印象を補完する側面を見ることで更にその印象を深めることになるだろうし、違った側面を見ることで強く意外性を感じ、新鮮な印象を受けることになるだろう。あるいは、第一印象で強烈に感じた要素と結びついて様々な想い出が形成され、深く心の中に刻まれることにつながることになるだろう。逆に、第一印象のインパクトが弱いと、その後の経験の中で感じることも、その人の感情のひだを簡単にすり抜けていってしまうのではないか。
その都市の第一印象をもたらすものが、人の手によるものか、はたまた自然条件のような人の手の及ばないものかはともかく、都市にとって第一印象で人の感情を強く揺さぶるような独特の要素を持っているかどうかというのは結構重要ではないかと思うのだ。かといって、奇をてらった過剰な演出はいただけないのだけれど…。
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